記事を読んで怒りと悲しみがこみ上げます。
『介護給付2兆円削減試算 「軽度」を除外』
財務省は13日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、介護の必要性が比較的低いとされる「軽度の要介護者」を、ドイツのように完全に介護保険の対象から外すと、年間で介護給付費は約2兆900億円、国の負担は約6100億円削減されるとの試算を示した。
40歳以上が納めている1人あたりの保険料は約1万5000円軽減されるという。
日本の介護保険は、介護の必要性に応じて8段階で支給額を決めている。財務省は、介護の必要性が最も低い「要支援1」から「要介護2」までの5段階を「軽度の要介護者」と位置づけ、三つの試算を示した。
他の試算では、軽度の要介護者について、韓国のように、洗濯や掃除など「生活援助」だけ介護保険の対象から外せば、年間で給付費を約1100億円、国の負担を約300億円削減でき、保険料は約800円安くなるとしている。
また、保険対象を現在のままとし、軽度の要介護者の自己負担割合を現行の1割から2割に引き上げれば、給付費は約2300億円削減できると試算した。
財務省は今後、介護保険制度の見直しを厚生労働省に働きかけ、社会保障費の抑制につなげたい考えだ。
(読売新聞)
要介護者を社会全体で支える仕組みとして2000年4月より導入された介護保険制度。
開始から今年で8年目。
医療保険でのリハビリ規制が始まった2006年からは、この介護保険制度を利用する利用者が増え、いずれ介護保険制度は崩壊するという声がどこからともなく私の耳にも聞こえてくるようになっていました。
そんな中打ち出された今回の見直し案。
ドイツの介護保険制度を参考にしたらしいですが、表面的な部分をマネしようとしているように見えて仕方ありません。
今回、除外されようとしている方というのは、当院の通所リハ利用者で当てはめて考えると、多くが2年前の診療報酬改定にて医療保険下でのリハビリが制限されてしまった方々です。
2年前の改定での混乱に屈することなく、多くの利用者さんやご家族、スタッフさんたちと悩み苦しみながらも励ましあい、一人一人の生活を、一日一日コツコツと積み重ねてきたのに。
なぜ、このような利用者さんたちの今を明日を生きる頑張りを踏みにじるような案を打ち出せるのか。
利用者さんたちが、どんな思いで介護保険制度を利用されているのか
毎日、毎日
利用者さんの生の声を聞き、生の頑張りや生きる強さを見ている私はこのような理不尽な策が打ち出されるたび、悔しくて悔しくて仕方がなくなります。
現在の利用者さんの多くは、戦後の日本復興に尽くしてきたすばらしい人たちです。
現代の人達よりも、一瞬一瞬を精一杯生き、沢山のことに折り合いをつけながら未来の日本のためにと自分の持てるエネルギーの多くを社会や家族のために使ってきた方々だと思います。
毎日見る利用者さん達の顔や手、背中の形からは人生を必死に歩まれてきたという歴史を感じます。
利用者さんの身体に直接触れさせてもらえるこの職業だからこそ感じるものが沢山あります。
感じれば、感じるほどに、利用者さんたちのさまざま想いも伝わってきます。
要介護1・要介護2・要支援1・要支援2の方々は
今後何をよりどころにしていけばいいんですか?
改定のたびにそうなるように、国はまたしても「個人で何とかしてください。一人で努力して要介護状態にならないように努力してください」と責任を利用者に押し付けるのか。
私達が必死になって取り組んでいることは、認められず。
削減、削減。
弱者の権利を削減する前に、出来る削減があるだろうに。
悔しくて仕方ない。
4月15日。
厚生労働大臣の舛添さんが財務省の見直し案を批判しました。
これがせめてもの救いだろうか。
舛添えさんの国民への想いが無視されず、貴重な意見としてこの案を最悪なものにしないような力となることを祈ります。
この現状で私には何が出来るのだろうか。
悔しいからって、泣いてばかりもいられない。
目の前にいる大切な利用者一人一人に、しっかりと仕えよう。
私は、今介護保険制度下でのリハビリテーションを仕事としています。
仕える。
一生懸命。
それが、私が出来る社会への大切な関わりであり、貢献でもあると思うから。
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